中国のゼロコロナ政策は成功しない

2022年05月30日

僕は、過去数十年間にわたって10数回中国を訪問して中国共産党主導の驚くべき経済成長と中国人の本質に触れて来た。その経験から中国のゼロコロナ政策は成功しないと確信する。
理由は常に進化し続けるウィルスの特性である。今世界を困らせているウィルス性疾病の多くはエイズを除いて中国から発生している。香港風邪、サーズ、鶏インフルエンザ、等々、枚挙にいとまがない。理由は中国人の衛生観念の無さと独善性が原因だから。武漢発のコロナウイルスを嘘と誤魔化しと専制主義で封じ込めたとて、ウイルスは人間よりもっと賢い。

例えばアモイから天津に車で移動するときに、雑貨屋でミネラルウオーターを買って、ボトルの中を覗くと白い沈殿物があったので、店のおばさんに、『これは不純物では無いのか』と問いただしたら、これはボウフラの死骸でミネラルだからミネラルウオーターだと強弁し交換してくれなかった。よく観察すると、どのミネラル?ウオーターのボトルにも怪しい沈殿物が入っていた。その後中華料理店で天津飯を頼んだら真っ黒の天津飯が登場。手で払ったら銀バエの群れが飛び去った。やっと黄色い天津飯と遭遇する事が出来た。僕達、日本人のグループは箸すらつける事が出来なかった。もちろんローカルの人々は美味しそうに天津飯を食べていた。地方都市に行けば今でもトイレは共同で扉無し。家にはおまる用の桶があり、昼間に戸外に出して乾燥させているが大変臭い。高度成長を遂げた今でこそ衛生観念は改善されているだろうが、TVで見る中国衛生局の人々の消毒剤を恐ろしく噴霧している状況は、逆に雑菌だらけの居住環境だからやむ負えない行動と見て取れる。訪日中国人が、平気でショッピングセンターの通路で立ちしょんべんをしたり子供に脱糞をさせている姿は、いまだ手洗いや衛生感覚が日本人のそれとは、大きく異なっていると見てとれる。上海や北京では文化的生活がすすんでいるだろうが地方出身の人も多く、過去に染み付いた衛生感覚は簡単に変える事は出来ないだろう。いくら町ごと、マンション群ごとロックダウンしても上下水道はロックダウンする事が出来ないのだから、綻びを内包しているので、いくら上から形だけロックダウンしても無理がある。

さて習近平国家主席の素晴らしいリーダーシップで表面的にゼロコロナに押さえつけても、昔からの中国人の衛生感覚はそう簡単に変わらない。その上、わが日本を含めた欧米先進国の人々はウイズコロナ政策を進めているので、コロナウイルスには耐性がある。しかし中国人が余り効果が大きくないシノバックスのワクチンで少しばかりの免疫力を持っていても、アフターコロナで中国に、もの好きな日本人を含めた欧米人が訪問したら、またコロナがまん延する事になる。つまりゼロコロナ政策を維持できなくなる。つまり今後の展開を見てもどう考えても、中国のゼロコロナ政策は成功しない。中国共産党の存続と習近平の権力を維持させるためにゼロコロナ政策を形だけ成功させるには、中国の国際的孤立化しか方法がない。

類まれなるリーダーシップで高度成長を遂げたロシアと同じく共産党中国も、リーダーの人の意見を聞かない独裁専制主義の悪い部分が出て、勝てない戦に出てしまった。アーメン。