トルコ エルドアン大統領の強かさを見習おう

ロシアとウクライナとの和平仲介に動いたり、スウエーデンとフィンランドのNATO加盟に反対したりと、GDP世界17位の中堅国家でしかないトルコのエルドアン大統領の存在感が際立っている。
GDP世界第3位の経済大国である、わが日本の岸田総理のロシアの軍事侵攻に対するアメリカ追随の施策のみで存在感を示せない寒い状況とは対照的だ。翻って2004年エルドアン大統領(当時は首相)が橋梁工事等の視察の為に訪日された時に僕はエルドアン首相率いる200名位のお食事と歓迎レセプションの仕切りを任せられた。その時にエルドアン首相と個別で2時間くらいお話をさせて頂いた。(僕は同行していたトルコ国営放送等でも取り上げられ、結構トルコでは顔が売れたかもしれません)エルドアン首相は公正発展党党首として政敵に嵌められ数か月、獄中生活を送っていた事。そしてロシアとヨーロッパの狭間の中でどの様に強かにトルコが生き残って来たか。そして日本をはじめとする友好国の協力を得て高度成長を成し遂げ、新しいオスマン帝国の創設を図りたい等々を熱く語られていた。あれから18年、約20年の長きにわたり政治手腕とODA等の援助で第2、第3ボスポラス大橋敷設等の実績等でトルコの長として君臨し続けている。
現在、トルコは経済政策の失敗によるインフレの亢進等で来年の大統領選挙では共和人民党のクルチダルオール氏と選挙で一騎打ちの様相で、エルドアン大統領の不利が伝えられている。しかし、今回のロシア、ウクライナ問題の仲介、北欧2国のNATO加盟に待ったをかけ、トルコの持っている外交カードを駆使して、クルド族問題の解決やEU加盟実現そして、アメリカの経済協力を引き出せたら、政治的な満塁逆転ホームランとして、一気にエルドアン大統領の再選が確定するだろう。翻って、わが日本はトルコと同じ、いや以上に地政学的に厳しくもあり、同時に今後の世界の安全保障のキャステイングボートを握れる位置にいる。安倍元総理とプーチン大統領の未だ残っているであろう奇妙な人間関係。中国の太平洋地域への進出の野望を食い止める可能性のある弓の様に長い地形と海域の徹底した管理、防衛体制の構築。在日朝鮮人による北朝鮮への怪しげなの資金援助の徹底した取り締まり。これらを操ることによって、もっと、日本人と日本が世界に存在感を誇示出来る筈だ。ロシアの暴挙によって第2次世界大戦後の固定していたパラダイムが音を立てて変わって来ている今こそ、アメリカのポチになり下がってしまった戦後日本の新しい存在感と価値観の発出が試される時が来たのでは無いだろうか。善良な世界の国々はそれを望んでいる。